セツブンソウ(Eranthis pinnatifida)は、早春の山野草でスプリングエフェメラル(春の妖精)と言われており、その中でも特に早く咲き始める植物です。スプリンエフェメラルの植物のほとんどは、半年近く地上部がなくなり、球根などで養分を蓄えます。そのため、種から開花まではとても時間がかかるからでしょうか、多くのものは絶滅の危機に扮しています。セツブンソウも、種から開花までに早くても4~5年かかるといわれており、環境省でも準絶滅危惧種となっている貴重な植物です。
基本情報

学名 Eranthis pinnatifida
科名/属名 | キンポウゲ科 セツブンソウ属 | ||
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園芸種別 | 球根植物 | ||
自生地 | 本州、山地 | ||
開花期 | 2~3月 | ||
草丈 | 5~10㎝ | ||
耐寒/耐暑 | 強い/やや弱い | ||
耐陰 | やや強い(芽出しごろは日向が理想) | ||
花言葉 | 気品、微笑み、光輝、人間嫌い | ||
特記 | 環境省:準絶滅危惧種(NT)、他16府県 |
セツブンソウの特徴
白い部分は花弁ではない

白くて可愛い花。と言いたくなりますが、実は白い部分は学術的にはガクになります。割とよく知られているのは、アジサイです。それと同じで、オウレンやクリスマスローズなども花びらに見える部分がガクになります。
花は、黄色い部分です。ガクがない状態を想像すると、何だか花火のようで可愛らしいと思ってしまいます。


環境省:準絶滅危惧種(NT)
冒頭でも述べたように、セツブンソウは準絶滅危惧種(NT)となっています。ここ千葉県でも昔(私が生まれる頃)はあったらしい。と、耳にしたことがあります。小さい花なので、よくよく探さないと見つけることができません。どこかで残っているといいな。なんて思います。
自生地の残っている各県府は環境省と同じように、保護の対象としています。未だ盗掘はあるのでしょうか?セツブンソウは増やすのが難しいわけではないので、山野草店などで安価で手に入れることができます。どうか、自然に咲くセツブンソウは大切に守っていってほしいものです。
セツブンソウの育て方


置き場所
地上部があるときは日向に、地上部がないときは日陰に移動します。地上部がないときは、あまり雨の当たらないところがいいでしょう。地植えにする場合は、落葉樹の下などが良い環境になるようです。
増やし方・植替え
セツブンソウは球根ですが、分球はしないそうですので、種で増やします(採り播き)。種から育てるのは、とても時間がかかりますが、毎年ほんの少しずつ成長しますのでゆっくり楽しみましょう。花をつけるようになるまでには、大体4~5年かかります。
植替えは数年に一回、芽出し前の球根時に行います。山野草の土などが良いと思います。球根植付けの深さは、3~4㎝が目安です。
肥料など
花付きをよくするには、肥料必須です。芽出し頃から緩効性肥料、花が咲き始めたら、週に一度液肥を与えると翌年にもよく咲いてくれるようです。
- 晩春ごろから地上部がなくなる
- 鉢植えの場合、地上部がなくなっても、定期的に水やりをして土を乾燥させない
- 地上部があるうちに、しっかりと肥料を施して球根を大きくする