アジュガは春になると、青や紫、ピンクなどの小さな花を穂状に咲かせるシソ科に属する多年草です。アジュガの葉は、濃い緑や紫、銅色を帯びた色合いを持ちカラーリーフのグランドカバーとしてもお勧めです。
今回は、そんなアジュガをご紹介したいと思います。
基本情報
基本情報 | |||
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科名/属名 | シソ科キランソウ属 | ||
園芸種別 | 多年草常緑 | ||
自生地 | アジア、ヨーロッパ | ||
開花期 | 4~5月 | ||
草丈 | 10~20㎝ | ||
耐寒/耐暑 | 強い/やや弱い | 耐陰 | 強い |
花言葉 | 心休まる家庭 |
アジュガの種類
アジュガは花にはあまり違いはなく、葉に色々な種類があります。
- アジュガ・レプタンス‘マルチカラー’
Ajuga reptans ‘Multicolor’ -
葉にピンクと白の斑が入る代表的な品種。‘レインボウ’や‘トリカラー’という名前でも流通。
- アジュガ・レプタンス‘チョコレート・チップ’
Ajuga reptans ‘Chocolate Chip’ -
小型の品種で花付きが良い。ランナーは控えめで、あまり増えすぎることがない。葉が名前の通り通年濃い。
- アジュガ・レプタンス‘アークティック・フォックス’
Ajuga reptans ‘Arctic Fox’ -
濃い緑色の葉にクリーム色の中斑が入る。葉の縁が波打つ。強光で葉が焼けるので、日陰で管理する。
- アジュガ・レプタンス‘キャトリンズ・ジャイアント’
Ajuga reptans ‘Catlin’s Giant’ -
葉も花も大きめのアジュガで、花丈が高く群生すると見ごたえがある。
- アジュガ・レプタンス‘バーガンディ・グロー’
Ajuga reptans ‘Burgundy Glow’ -
赤や紫などカラフルな葉が魅力的なアジュガ。乾燥と日差しに弱いので注意。
- アジュガ・レプタンス‘ブラック・スカロップ’
Ajuga reptans ‘Black Scallop’ -
黒味の強い丸葉が特徴のアジュガ。通年色を保つので寄せ植えにも。
アジュガの特徴
日本のアジュガ
日本のキランソウやジュウニヒトエもアジュガの仲間です。また、絶滅危惧種のヒイラギソウ(Ajuga incisa)もアジュガです。
園芸種でアジュガというと、セイヨウキランソウの事を言うのが一般的です。
アジュガはチュウレンジハバチを呼ぶ⁉
チュウレンジハバチ(チュウレンジバチとも言います)はアジュガがお好き。というのは、バラを育てている方はよくご存じだと思います。黄色いお尻のハバチです。バラの枝に卵を産み付け、孵った幼虫がバラの葉を食べてしまうため、とても嫌がられている虫です。
しかし、なぜチュウレンジハバチがアジュガを好んでいるのかはきちんと解明されていないそうで、少し疑問に思い調べてみました。(アジュガに含まれる化学物質に交尾刺激物質が含まれているなどが濃厚かな?とは思いますが、はっきりとした文献は見つけられませんでした)
我が家は悲しいことにチュウレンジハバチがたくさんいるのですが、アジュガに群がっているチュウレンジハバチを私は見たことがありません。そこで、ネットで「アジュガ チュウレンジハバチ」と検索すると出てくるのは、チュウレンジハバチによく似たカブラハバチやイヌノフグリハバチが多く、チュウレンジハバチと勘違いしている方が多くみられました。ハバチはとても良く似ているため、同定が難しいなと思います。基本的に食草を頼りに同定するので、バラのシュートに留まってるからチュウレンジハバチだと確定できるようなものです。
ちなみに、カブラハバチやイヌノフグリハバチは背が黄色やオレンジです(翅は黒)。チュウレンジハバチは黒なので、そこは見分けやすいと思います。(但し、セグロカブラハバチは似すぎてて難しい)
ハバチがアジュガに寄って来ることは間違いないですが、全てがチュウレンジハバチではないのであまり過敏にならなくてもよいのかな?と私は思いました。素敵な植物ですから、やはり植えたい気持ちが私は勝ります。
なにより、チュウレンジハバチが来るのは、食草のバラがあるからというのが、本当のところだと私は思います。
アジュガの育て方
休眠中も葉は地上部が残ります。
日向でも育てられますが、半日陰のほうが調子がよさそうです。土が乾くと元気がなくなるので、夏は特に注意が必要です。
また、斑入りなどは日陰のほうがキレイに発色します。
- 植え場所は、半日陰の適湿~湿り気味
- 斑入りは日陰のほうがキレイに発色
- 地植えの場合は増えやすいので、適宜抜き取る。根は浅いので抜きやすい
- 肥料は、地植えの場合はあまり必要ない
植え場所
我が家ではシェードゾーンのレンガの小道と花壇の間に植えてあります。他のグランドカバーと共闘しながら生存している感じで、増えもしないので、特に手入れはしていません。
粘土土であまりいい土壌ではありませんが、何年も消えずにいてくれるので、土質も砂でなければあまり選ばないかもしれません。
増やし方(管理の仕方)
ランナーで増えていくタイプですが、密に広がっていくので、あっという間には増えません。特に、チョコレートチップやバーガンディグローは、緩やかに広がっていきます。
株分けは、花期前にもできますが、霜の降りる前の秋に株分けをお勧めします。(春に株分けすると花が咲かない可能性があるため)
病気と虫
先ほどのハバチの下りで話したように、ハバチが来ますが、食害は特にありません。チュウレンジハバチと間違えられ捕獲されているハバチさんたち、無念です。無知は罪です。
しかし、アブラムシがつくことがあるようです。まだ、見かけたことはありませんので、庭に侵入させないことが重要かと思います。
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